2009年9月7日月曜日

「温暖化ガス25%削減」で、損する人と得する人

なんか本気らしい:
NIKKEI NET(日経ネット):温暖化ガス、鳩山氏「90年比25%削減」 中期目標明言: "民主党の鳩山由紀夫代表は7日、都内で開いたシンポジウムで講演し、日本の温暖化ガス削減の中期目標について「2020年までに1990年比25%削減を目指す」と表明した。6月に麻生太郎首相が表明した現政権の「05年比15%削減」を大きく上回る削減目標となる。22日にニューヨークで開く国連気候変動サミットに出席し、新たな中期目標を国際社会に打ち出す考えも示した。"
これで「シロクマ」が溺れずにすんだと言うことで「環境エコロ」は大満足らしいが、経済全体や実際に仕事をしてお金を稼いでいる人たちにとってはたいへんなこととなる。

無駄を省くことは当然として、結局はニッポンの「GDP(国内総生産)」を今後継続的に縮小させるほか、有効な実現策は見あたらない。その中で「個人」はどう生き延びていたらいいのか? こりゃ個人ベースでの「個別対応」しかない。おいらの防衛策を披露する:

  1. 今後ますますニッポン人はビンボーになるのだから、なによりもまず、いまある限られた「富」を将来の更なる困窮期に向けて保全することを最優先に考えるべき。つまり「貯金」である。
  2. でもいまのニッポンではそれほど難しいことではない。家計ベースでも無駄遣いがあまりに多い。無駄遣いを止めることだけで「貯金」は可能なのである。
  3. いままで国民に無駄遣いをさせて不当に儲けてきた「悪徳ビジネス」をさらに儲けさせないことこそがまず第一歩。たかがメロンやマンゴーに一個20万円もぶったくったり、一匹数千円もする○○鯖を食うことや、バカダカイ地産地消の「無農薬有機野菜」とやらを食うことが「カッコイイのだ〜」との幻想を大手広告会社を起用してナイーブな大衆に「イメージ」とやらを刷り込み、副業だというが実は本業の不動産取引で濡れ手のアワの大儲けを実現してきた農村地主にさらにボラれないこと。テレビの「オイシ〜」番組に踊らされてイナカの温泉旅館にボッたくられないことも大切。高速が安くなったからといってアホみたいに遠出をしないこと。結局余分にお金を使ってしまう。とにかく食い物への支出の割合(エンゲル係数)を国際水準まで下げるだけで国民生涯支出で一世帯当たり数千万円にも節約できることになる。それを貯金する。
  4. さらに、たかが塩化ビニールで作られたバッグを、一つ数万円で販売してきた某世界企業に儲けさせるのは止めよう。アホなOLやキャバクラのホステスはそれが価値あるものと信じて大枚を支出していたようだが、世界広しといえどこれほど宣伝に甘くて業者が儲かる消費者市場はニッポン以外には(最近の中国の成金を除いては)なかったそうだ。
  5. ニッポンの男もOLを嗤えない。座るだけで数万円もぶったくる銀座のバーとか、偉ぶっている鮨屋の大将にへつらって、一万円札で勘定をバンバン払うことが「粋で都会的」と信じていたアホもそうだ。ほとんどがイナカ出身のナイーブな顧客。
  6. こんな無駄遣いでGDPを押し上げていてもなんの役にも立たなかったのである。
  7. もっとも国際競争力のある企業にとってはたいへん。経済的なエネルギーを使ってはいけないとなれば日本国内で生産活動をやっている限り確実にグローバル競争に負けるだろう。当然、生産拠点は海外に移すことになる。これが出来るかどうかで、企業の生き残りが決まる。海外に生産拠点を移すことに成功した企業の株価は上がる。出来なかった企業の株価は下がる。株価が下がるどころか倒産だろう。株式投資の選別はこういう観点からやるべし。
  8. 公務員や農家は、経済が潰れても自分の所得だけは制度上保障されるので、得する人たちに分類される。国際水準をはるかに越える「石油じゃぶじゃぶ消費」をやっているニッポンの農家も、過大評価された票数をもっている限り政治的にそれを抑えることは出来ないから、あいかわらず従来型の石油じゃぶじゃぶ消費を続けることになる。みんなが彼らの生産物を買わなくなっても財政で補填されるから安心安心。経済成長には貢献しない農家や公務員に婿入り(嫁入り)するのが21世紀のニッポンでは都市住民の正しい生き残り戦術となり、日本経済では非効率的な低生産的分野への限られた経済資源の配分が一層進み、経済は歪曲化され、さらにみんながビンボーになることとなる。
  9. 一番可哀想なのは、いまの勤労者層(若年層)と今後生まれてくるこどもたち。多くは職を失い、ビンボーになったニッポンで親の世代が作った借金だけが押しつけられて、一生借金地獄の生活を送ることになる。子供は産まない方がいい。
  10. 老人はどうか。長生きするかどうかで損得は決まる。長生きすれば次の世代からの負担を享受できるという意味で損得勘定では得。早く死ねば損。たいていは長生きするから経済には負担となる。でも早く死ねば、将来の悲惨なニッポンの姿を見なくてもいいという意味で、精神衛生上はそのほうが良いのかも知れない。おいらも早く死にたい。
付言すると、将来の日本は「GDP」じゃなく「GNP」を指向するのだと言うことであれば(つまり海外からの配当収入で食うのだというのであれば)、鳩山さんの政策も一貫性をもつ。でも植民地主義が否定されてからはや100年。海外から好きなだけお金を搾り取るというGNPの極大化政策は現実的じゃないし周辺国はいくらでも対抗策をもつようになった。それが出来ないのであれば移民労働者を国内に吸収し国内に「第三世界」を創出するしかない。それも見識である。GDP指向でもやっていけるだろう。いまのアメリカだね。それがいいのかも知れないが、今度はニッポンウヨが反対する。ニッポンはいろいろ難しい。

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